カトリック浦和教会
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目があっても見えない(2007年6月号)

齋 藤 紳二  


 新国立美術館に「モネ展」を見に行きました。
 実は、私は印象派が好きではないのですが、90点ものモネの作品を一堂に集めた展覧会は2度とないでしょう。それに、印象派が大好きな妻に遅ればせの 「母の日」プレゼントを贈ろうという気持ちもあって、ふたりででかけました。

 そろそろ出口が近づくあたりに展示してあった2点の作品に、衝撃的な感銘を受けました。2点ともタイトルは「日本風太鼓橋」。ジベルニーの自宅の池に作 らせたこの橋を彼は何度も描いています。とくに強い印象を受けたのは、この2つの作品がまるで抽象画のようだったからです。
 これらを描いたとき、モネは白内障でほとんど目が見えませんでした。チューブの文字をようやく読み取って絵の具を選び、カンバスに塗るという状態で描き 上げた作品だったのです。画家としてもっとも大切な視力を失ったモネが、頭の中に刻み付けていた橋の姿と、絵の具の色の記憶を結びつけて、心だけで描いた といってもよい絵です。
 しかし、そこにはたしかに橋が描かれているのが分かります。美しい景色の要素としての橋ではなく、橋そのものの本質が浮かび上がってくるように感じられ ました。

 ふと、「目があっても見えないのか?」というイエスの言葉が頭に浮かびました。
 もし私が目の見えなくなった画家だったとしたら、こんな絵は描けないだろうと思いました。私の物の見方はいい加減で、モネのように物の本質まで見通して はいません。描くには描いても、他人にはとても橋とは思えないような作品になってしまうでしょう。身の回りのことを心して見つめなさい、とイエスが言われ たことの深さが分かったような気がしました。


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